買入れさせて頂いた藤岡心象の水彩画など

スタッフからのコメント

　お引越しに伴う整理でお声掛け頂きました。引越し先に持ち込める家財の量が限られているため荷物も減らしたいとのお話でした。家具などが主なご相談でしたが買取りすることが出来たのはウィンザーチェア4脚と小引出しなど小ぶりな家具類のみ。その他は飾られていた絵画やティーセットなどの洋食器、そして使わずに仕舞い込まれていた贈答用の茶器セットや花瓶、タオルなど。

画像は藤岡心象水彩画。

　藤岡心象は、主に水彩絵具・油彩絵具を使い、少女をモチーフとした温かみのある絵を描く画家です。絵に描かれる子どもの肌はふっくらと瑞々しく、衣類の質感やシワなどはリアリティにあふれ、画家のもつ技術力の高さがうかがえます。また、どこか桃源郷を思わせる幻想的な雰囲気をただよわせていることも作品の特徴といえるでしょう。魅力あふれる藤岡心象の作品には長年多くのファンがいらっしゃいます。

　藤岡は1936年、北海道にて生を受けました。画家として多くの作品を手掛けていた中で、1979年に太陽美術協会主催の太陽美術展にて入選を果たします。太陽美術協会とは、過去にルノワール、ミレー、セザンヌなどの巨匠たちも多く出品した世界最古の公募展ル・サロンとの交流から生まれた美術団体として知られています。続いて1980年には、国際的な視点で公募展を開催している日仏現代美術展入選、ル・サロン展銅賞、プロの画家の登竜門として有名な現代洋画精鋭選抜展にて銀賞、記念大展にて優秀賞を獲得するなど多くの賞を受賞。また、1986年に開催された現代洋画精鋭選抜展では第15回記念大展銀賞を授与されました。その後も、国内にて個展やグループ展などを多数開催し、精力的に制作活動・発表を続けています。

　こちらの作品は少女がしゃぼん玉で遊ぶ何気ない日常を、鉛筆と水彩絵の具で表現したものです。藤岡の作品には、度々しゃぼん玉と少女が描かれており、この2つは画家がこだわりをもって向き合い続けたモチーフだったようです。作家独自の感性が非常によく表れ、生命への穏やかな眼差しが感じられる1枚といえるでしょう。

お声掛け頂きありがとう御座いました！