元永定正作品の買取

元永定正

大切なコレクション、ご自宅で眠っている「元永定正」作品の売却ならぜひ、やましょうにご相談ください。

元永定正について

 元永定正(もとなが・さだまさ)は、世界的に評価が高い美術団体である具体美術協会を拠点として活動していた美術家です。この「具体美術協会=具体」は、日本で誕生した戦後初の前衛的な美術家集団であり、吉原治良のもとに集った若いアーティストたちによって構成され、伝統的な美術と革新的なアートの境界に挑み続けました。

1954年に結成された具体は“純粋な創造の可能性を追求する”という目的を掲げ、その団体名は「我々の精神が自由であることの現行の具体的な証明」を意味します。その意思を反映するように絵画や立体作品のみならず、パフォーマンス・ハプニング・大掛かりなインスタレーションを多数発表しています。白髪一雄の足で泥を捏ねた作品や田中敦子の電気バルブのドレスをまとう作品など、戦後の自由を渇望する社会を表現しているようです。

1999年には、ジュ・ド・ポーム国立美術館にて「Gutai<パリ具体展>」を開催するなど海外からも注目されていた美術団体でしたが、2013年のグッゲンハイム美術館(ニューヨーク)における回顧展や、ニューヨーク近代美術館・ロサンゼルス近代美術館など著名な美術館が彼らの活動を紹介したことをきっかけに、さらに知名度が広がりました。それに伴い、美術市場も具体に注目し、近年販売価格が上昇しています。

元永定正は1922年、現在の三重県伊賀市に生を受けました。地元の商業学校を卒業後に大阪へ出て様々な仕事を経験しますが、郷里に戻り漫画家を目指すものの、文展系の洋画家・浜辺万吉に師事、洋画を学びます。1952年に兵庫県へ転居した後は、抽象画と出会い、自ずと彼自身も抽象画を手掛けるようになりました。1955年に吉原治良からの誘いで、既に西洋のアート・シーンで広く認識されるようになっていた具体美術協会の会員となります。

元永は、同協会で主要メンバーとして活動しながら、絵本も手掛けるようになったことで、大都市・東京や海外の作家との交流が始まりました。この交流が、後に彼の作風にも影響を与えたといわれています。この頃は、六甲山などの夜景を抽象化した油彩や水や重力の性質を活かした立体作品、パフォーマンス作品を発表。1958年になると、日本画の技法「たらし込み」の発想を利用し、絵の具の流動性を活かした作品を制作しました。

1961年には東京画廊にて「元永定正展」を開催しています。1963年に、国立近代美術館京都分館で開催された「現代絵画の動向―西洋と日本」展に作参加、1965年には、同美術館の「現代美術の動向―絵画と彫塑」展やアムステルダムのステデリック美術館で行われたヌル国際展にも出品を果たします。やがて、1966~1967年のニューヨーク滞在を経て、彼の作品は大きく変容することとなります。エアブラシとアクリル絵具を用いる独自の技法を確立し、絵画の新境地をひらきます。その軽やかで明るい色彩、ユーモアあふれる抽象的な形から「ファニー・アート」という元永の世界観あふれる作品を発表したのです。

1971年には、東京都美術館で行われる現代日本美術展に出品し、京都国立近代美術館買上賞を受賞。同年に具体美術協会を退会しました。退会後も、1972年に催された京都国立近代美術館「現代美術の鳥瞰」展や、1980年に国立国際美術館で行われた「現代の作家2―高松次郎・元永定正展」に出品するなど作品発表の場を増やしていく元永。1984年には既に解散していた具体の元会員・白髪一雄と共に和歌山県立近代美術館「元永定正・白髪一雄展」を開催しています。1983年には、芸術文化振興協会賞、日本芸術大賞を獲得するなど芸術家として名実ともに広く世に認められるようになりました。

2000年代に入ってからも活躍は目覚ましく、2002年には西宮市大谷記念美術館にて「元永定正展」、2003年に広島市現代美術館で「元永定正展 いろかたちながれあふれててんらんかい」を開催。2009年には三重県立美術館で大規模な個展「元永定正MOTONAGASADAMASA」が催されるなど地方の大きな美術館でも個展を開催していたことから、美術愛好家以外の方にも人気を博していたことが伺えます。2022年には生誕100周年記念として兵庫県立美術館で「生誕100年 元永定正展 -伊賀上野から神戸、そしてニューヨークへ-」展が催され、再評価の声が高まりました。元永は後世の育成にも力を注ぎ、成安造形大学造形学部造形美術科教授として尽力しました。

1988年にはフランス政府より文化上の功績者に贈られる芸術文化シュバリエ章を受章、国内では1986年に兵庫県文化賞を受賞した後、1991年に文化・スポーツの分野で優れた業績を挙げた人物に贈られる紫綬褒章も受章しています。彼は、絵画や立体作品、パフォーマンス・アート以外にも椅子やタピストリーのデザイン、絵本制作、文筆活動など、ジャンルの壁を越えて幅広く制作活動を手掛けている作家であり、柔軟な発想力によってさまざまな作家たちとのコラボレーション企画も実現しました。

抽象画といえば、それまで難解とされてきたジャンルの1つでしたが、元永の描く抽象的な絵画によって、それらが親しみやすいものに変わったということも彼の大きな功績といえるでしょう。特に、元永が手掛けた絵本「もこもこもこ」(谷川俊太郎 作 元永定正 絵 文研出版  1975年)、「がちゃがちゃがちゃ どんどん」(元永定正 作 福音館書店 1990年)、ジャズピアニストの山下洋輔との共作「もけら もけら」(山下洋輔 ぶん 元永定正 え 1990年)は公共図書館や保育園、学校の図書館では必ずお目にかかるほど有名です。

刊行から年月が経った今でも絵本に描かれた優しいフォルムや色彩は子どものみならず大人をも魅了しています。年齢問わず、あらゆる世代の人々から親しまれる元永の作品は、1993年のヴェネツィア・ビエンナーレに参加を果たすなど海外からも高く評価されていましたが、近年再び国外から注目を集め、2015年のサザビーズ主催のオークションでは1億円という価格で作品が落札されました。自らを「アホ派」と称し、遊び心や自由な精神あふれる作品を生み出した元永定正。彼の作品は戦後を生きる人々、現代の我々にも元気を与えてくれるようです。

 

代表作品

もこもこもこもけら もけらがちゃがちゃどんどんしろとあかのいろだまあみめふたつはしろいせんくろさんかさね

元永定正作品の買取事例

元永定正の参考買取価格

お売りいただけるアイテムがございましたら、お気軽にご連絡ください。

元永定正作品の査定のポイント

  • 01

    真贋

    元永定正は人気がゆえに多くの贋作が存在しますのでアクリルや油彩画の場合はモトナガ資料研究室の鑑定書が付いているとプラスポイントになります。

  • 02

    状態

    原画の流通は少ないですがシルクスクリーンなどは比較的多く市場に流通しています。そのためシミや日焼けなどは大きく査定額が下がる要因となってしまいます。保管場所や飾る場所には注意が必要です。

  • 03

    作風

    一目で元永定正作品とわかるような代表的な作品が人気で買取価格も高くなります。

関連する展覧会・記念館・美術館情報

三重県立美術館 元永定正 生誕100年100点展

〒514-0007 三重県津市大谷町11番地

公式ホームページはこちら

軽井沢ニューアートミュージアム 元永定正作品展

〒389-0102 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢1151-5

公式ホームページはこちら

お問合せ・ご相談はこちら

「モノ」を大切に、次世代へ
繋ぐ架け橋となります。

全国対応・査定無料
お気軽にご相談ください

通話料・お見積り費用無料

0120-940-351

受付時間 8:00~18:00 年中無休

買取には本人確認が必要です

古物営業法第15条第1項の定めにより、買取の際にご本人様確認をさせていただきます。
宅配買取の場合は、本人確認書類のコピーを送付してください。
なお、ご提示いただいたお客様の情報は、当店のプライバシーポリシーに則り、厳重に保管いたします。

本人確認書類としてなもの

  • パスポート
  • 学生証
  • 身体障碍者手帳
  • 在留カード
  • 特別永住者証明書
  • 住民基本台帳カード
    (Bタイプ)

本人確認書類はいずれもご本人様のお名前・現住所・顔写真・生年月日(または年齢)があり、有効期限内のものに限ります。
※1)2020年2月4日以降に発給されたパスポートは、住所欄が掲載されていませんので本人確認書類としてお取り扱いできません。

買取の流れ

  1. 01

    ご相談・お申し込み

    お電話・LINE・メールにてご相談、お申込みいただけます。
    査定は無料ですのでお気軽にご利用ください。

  2. 02

    査定・結果のご説明

    査定させていただき、買取金額をご提示致します。
    相場に基づいた適正査定で安心です。

  3. 03

    お支払い

    査定金額にご納得いただけましたらお支払いいたします。
    宅配買取の場合は、お振込みとなります。

やましょう 出張買取対応エリア

関東地方を中心に承っております。詳しくは対応エリアをご確認ください。

PAGE TOP